こんにちは

別のエントリーで、僕が「買取工具の洗浄に極力有機溶剤を使わなかったけれど、使ってみたら作業が劇的に楽になった」と書いたのですが、今日はクロムメッキと、耐薬品性について考えてみたいと思います。
スナップオンソケットセット
まず、クロムメッキ。
クロムメッキには大きく2種類あります。
  1. 装飾クロムメッキ 光・熱反射性に優れる。耐食性に大変優れる。但し硬度は低い。
  2. 硬質クロムメッキ 耐摩耗性・耐食性に優れる。硬度がHv800-1000(25μm以上)
装飾クロムメッキは、主に「外観」をよくするために用いられるメッキになります。車のグリルとかメッキパーツとかはこの装飾クロムメッキですね。

硬質クロムメッキは、耐摩耗性・耐食性に優れ、メッキ硬度が非常に高いメッキになります。Hvが750以上が主に硬質クロムメッキと言われますので、非常に硬い、メッキです。
※Hvはビッカース硬さという硬度の指標の一つです。

ちなみにダイヤモンドはHv7140-15300、SUS304で200以下です。SUS304は一般的なステンレス鋼です。
さて、そのメッキ処理された商品の洗浄に有機溶剤を使用しても問題がないかということですが、結論、メッキがはがれていなければ問題無し。またははがれていても薄い溶剤や短時間であれば問題無し。
なぜかというのはメッキ屋さんのWebさいととか参考文献がWeb上に山のようにあるのでそれをご覧になっていただけると。
簡単に書くと、ニッケルは
 酸素を含んだ水、海流水、アルカリ、中性およびアルカリ塩溶液(炭酸塩、リ
ン酸塩、硫酸エステル、塩化物、硝酸エステル)に高い耐性がありますよ、と。
で、耐性が低いまたは、腐食を受けるものは、高酸化性酸、塩化物を含んだ溶液、無機酸、有機酸(低温希釈は除く)ですよ、ということです。
 
なんのこっちゃ??って話ですが、僕が使用した溶剤は「第4種類第1石油類」のミスタ薄め液。この薄め液の成分検査を出した方が(すごい方がいたもです)Web上で公開していた成分が

IPA-イソプロピルアルコール。結局はエタノールなので問題無し
メチルエチルケトンーイソブチルアルコール。アルコール分類なので問題無し
ジアセトンアルコールーアルコールとケトンなので問題無し
ブチルセルソルブーエチレングリコールモノブチルエーテル。よくわからん。メチルアルコールみたいなもんか?

しかも上3つがほぼほぼ主成分のようなので、大丈夫という僕的結論でした。

まぁムニャムニャ書いてきましたけど、整備工場でも洗油とか普通に使うし、洗油って有機溶剤ですし、ホワイトガソリンとか灯油とか、第4類第二石油類の有機溶剤ですし。問題ないのは分かってましたよ。そもそも、メッキの工程で有機溶剤使うし。でも、なんか有機溶剤系を使うのが気持ち嫌だっただけです。

とはいえ、臭いとかの問題もあるので、これからもマジックリン+歯ブラシからの超音波洗浄をメインにやりたいと思います。

追記
久々に第4類とか聞きましたしね。危険物乙四の試験の時に勉強したけど、忘れているもんですね。まぁ20年も経っていればそりゃそうだというところなんですが、久々にへぇ~と思うこともあったわけで。

というわけで本日もご覧いただき有難うございました。

次回もよろしくお願いします。